みんなのキリスト教ニュース - 中国でキリスト教の地下教会拡大 「党より神」信者7000万人

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 【北京=平岩勇司】中国で当局公認のキリスト教団体を離れ、信者宅でひそかに聖書を読む「地下教会」が静かに広がっている。急激な経済成長による競争社会に疲れ、共産党への信頼が薄れる中、心の空白を埋める役割を果たしている。

 「偉大なる主よ、あなたに感謝します」

 北京大、清華大などに近い北京市北部の古びた団地で、中国語の賛美歌が響く。壁に小さな十字架が掲げられた以外、普通の居間と変わらない空間で礼拝がとり行われた。

 牧師役の男性が講話を始めると、教師や医師、労働者ら約20人が使い古された聖書を手に「アーメン」と繰り返した。

 牧師役の男性(34)は元出稼ぎ労働者。「工事現場ではストレスや賃金をめぐって労働者が争い、殺し合った。金をためてもむなしさを感じた時、キリストの教えを知った」

 中国の教会は当局管轄下のプロテスタント系か、カトリック系団体に所属することが義務づけられている。信者は計約2000万人。一方、「共産党公認の教会に真の教えはない」と考える信者は地下教会へ走り、その数は共産党員と同数の約7000万人といわれる。

 父親が共産党幹部の女性(50)は娘と2人で礼拝に参加。「共産党の政策に失望し、現代社会の人間関係に疲れて入信した」と説明する。参加者には、共産党批判の論文で大学を追われた元助教授や、天安門事件の被害者もいる。政治的な悩みを抱える者は、公認教会では“救われない”。

 共産党より神を信じる地下教会は、当局には脅威となる存在だ。摘発を逃れるため、会場を何度も変えなければならない。それでも信者たちは「中国社会の矛盾が続く限り、信仰を求める人は増え続ける。心の平安が得られた今は幸せだ」と話している。


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